経営理念の4本の柱の一つに「全ての事に感謝する」と謳っている。これは私の半生で実体験で感じ取ったこと。私の人生は失敗と無駄の山だったような気がする。その無駄と失敗を重ねた後に気づいたことが、どちらもその後の行動にどう反映するかでは全てがプラスにも使えるという事だった。だから「全てに感謝する」という経営理念を掲げることになった。
私の人生は失敗から学び、それを何とか生かそうとするうちに力が付いていった気がする。例えば大学で私は3年も留年した。普通の人からすればかなり異常だし大きく出遅れた。この大きく出遅れた悔悟の思いからが有って工場ではむしゃらに働いた。その決意がなければ、おそらく途中で辞めてしまったであろう位の過酷で専門外の工場勤務だったが、そのおかげで3年過ぎると次第に仕事の要領も身に付き始め自信もついた。もしこの大学時代の無駄な3年がなかったら平凡な技術者生活か出遅れた公務員で終わっていただろう。若い頃の私は他に選択の道を知らなかったから。
仕事でも過去に1億円を超える赤字を何度か出したことがある。その時は大変厳しい状況となり生活費どころか正に生死を掛けてその対応策に走った。その度に経営者としての教訓を得ながら結果的には会社は大きくなり私も少しは成長した。会社が個人の財産を貯める為ではなく社会に貢献するために存在するものだとすれば、その成長が会社の雇用を増やし地元に仕事の発注も増やしたのでプラスとなったと言える。
逆に今日の成功は本当に将来の幸福につながるのか、という問いについては素直にYESと言えないことが多い。ヒット商品を出すという成功に恵まれた時、その成功に何時までも頼って次の展開が遅れて失敗し、大敗北を喫したという起業事例は社会に枚挙に暇ない。メモリー競争では1メガの勝者は4メガの敗者となり、4メガの敗者は16メガの敗者となるような競争が永遠と続いている。平面ブラウン管で市場制覇したソニーは液晶TVで出遅れ、液晶TVの勝利で増長したシャープ経営陣は予測を誤り市場から追われた。
歴史は単純な事例を永遠と繰り返している。人生は塞翁が馬と言われるように成功は失敗の始まりだし失敗は成功への道のきっかけとなる。確かに失敗は辛いが意気消沈するだけのものでもなく、成功も喜ぶだけでなく何かの陰りの出発点にもなっていないかと振り返るべきなのだと思う。
今日も明日も本気で向かっているビジネスに、私はまた失敗の事例を作ることだろう。手抜きや逃避の失敗でなければ前向きに学びとして受け入れよう、ザンネンながら。
~2018年7月3分間スピーチテーマ「無駄を考える」に寄せて~
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