紅顔の少年だった私も今は前期高齢者の入り口にいる。若い頃人生が退屈であっという間に白髪の老人にならないかなと罰当たりなことを思っていた時期もある。お蔭様で、退屈しない人生を送ってきた。いや人より波乱万丈だったかもしれない。高杉晋作の「面白きことも無き世をおもしろく」、啄木の「こころよく我に働く仕事あれ、それを仕遂げて死なんと思う」に憧れた。未だ道半ばで在り、何も成し遂げたとは思わないうちに既に人生の夕暮れに来てしまった。老化を楽しむほどの心境には達していないが、老化を受け入れるのを急がねばならない。
社長業に就いて30年近くが経とうとしている。ほとんどの会合へ出かけると1,2を競う若手社長だったのが、今ではともすれば最年長経営者いう時さえある。改めて自分ながら歳を重ねてしまったという思いが募る。
30代の頃の私は明らかに知識も経験も無く失敗や無駄が多い経営者だった。「安打数が勝負だ。きつくてもたくさんバッターボックスに立てばいい」と言い続け、色々なことに挑戦してきた。勿論失敗は多かった。しかし、あの頃の自分の行動にはスピード感と明るさ積極性があったように思う。朝早く出社しトイレ掃除から一日を始め、休み少なく夜遅くまで仕事した。夜10時に家に帰れば早過ぎて、どうかしたのかと問われたこともあった。週休2日やゆとりの時代などと言われ始めた時代の中で歩調を合わせるように私も老化したのかもしれない。
今、自分の行動を客観的に見ようと思えば明らかに老人のそれになってしまった。部屋も服装もすっかり老人らしくなっている。これは実害なければ良しとしても、朝早く出社して汗を流してトイレ掃除をして、ラジオ体操ではジャンプも柔軟性も負けない運動をしようと突っ張って生きていたのはどうなっただろうか。今はそれらを全て失ってしまったのをラジオ体操のジャンプで歴然と事実を見せつけられる。恐らく思考のスピードも疲労しない頭脳も失いかけていると思う。
「個人の老化に会社を巻き込みたくない。タバコのヤニの染みついた社長室に座っている老いた社長になりたくない。」と若い頃より言ってきた。実際その様な社長室を若い頃に多く訪問したこともある。老化した社長を見ている次世代経営幹部は社長の若い頃を知らない。老人の最大の不幸は、その若い頃を若者が見たことが無いという事だと思うことがよくある。芸能人の華やかな時代を知るファンが老人役の端役となったスターを見るときこれが老化だと思うことがある。
芸能人は例え90歳でも老人を味としてその役に生きて活路を見いだせようが、事業継承を老化した社長を手本としてスタートすれば間違いなく破局へ向かう。もう遅いかもしれないが、何としても元気な社長像を残して事業系継承せねばならないと思う。白髪頭で顔や手にシミが増えた老人が私の会社の社長であってはならない、と40代の頃に自分に誓っていたが、愈々その自分との約束の履行をせねばならない時期がカウントダウンになってきた。いやとうに超えてしまっているのは認めよう。せめて歩く速さだけは負けないうちにバトンタッチしたい…、これも年寄りの悪あがきにしか見えないのかも
17年8月7日起筆
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