社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

戦艦大和

2016.01.25

 私の手元に「戦艦大和図面集」という本がある。数年前に古本屋で安く手に入れたものだが、ポーランドの日本軍艦研究家が図面を複製し発行したものらしい。疲れたときに時々この本を開いたりすることがある。私は軍事研究家でもないので戦闘の道具である戦艦大和に興味はないが、当時の技術で設計された内容、知恵の積み上げを見る度に「凄い、圧倒的に自分の知恵が負けてる、足元にも及ばない。」という結論に達し、いつも口惜しさ、我が身の不甲斐なさを確認し、発奮して本を閉じることになる。
勿論、技術者としての個別能力も私が遥かに及ばない、昔の技術者たちの成果の結集だろうが、それ以上に設計に対する執念、自分の仕事に対し命を掛けて知恵を絞りだしたような気迫を感じる。
 余談だが日本電産の永守社長は「能力の差は5倍でも気力の差は100倍だ」という。京セラ創業者の稲盛氏は「仕事と人生の結果は考え方との熱意と能力の掛け算だ」という。どちらも熱意や気力の重要性を説いているのをふと思い出す。
我が身を振り返れば能力も去ることながら二人とは気力の差が5倍や10倍あるように常に日ごろ感じている。お二人とも私より年長の経営者だが、せめて気力や熱意がこれ以上の差に開かない方策ないものだろうかとつい思う。
さて日頃はそうやって技術的見地から戦艦大和を見ることが多いが最近ふと、あの3000名の乗員が乗り組む全長260mの巨大な船を一人の艦長がどうやって自在に動かせたのかと思うようになった。我が「プレシード丸」はわずか100名だが組織が私の思うように動かせているのかと考えてしまう。
 艦長の意志と命令が巨大なエンジンの出力調整となり舵を切ることとなり、砲弾を発射準備となり無線送受信の指示になる。「出航」と言えば機関室や操舵室、係留や揚錨、気象係、無線係が動き、「戦闘用意」といえば炊飯係から射撃手、無線、レーダー、機関、救護、などが動き出す。今と違ってデジタルのデーター共有も無く、連絡は伝声管や伝令で指示が飛ぶ。一人の艦長へ必要な情報が報告され、それらを元に会議や熟考或は即断での艦長の指示が3000名の乗員を一つの意志の方向へ動かし、機能的な連携活動を行う。自動制御もない、無線連絡もない、天気予報もない、コンピュータも無い中で命がけの最高結果を目指す。
戦闘ともなれば敵があらゆる妨害を試みる中に独断と即決の行動が中心となる。戦死や負傷者が出ても代わりの人員が次々に職務を支える。正に軍艦は最高の組織統治の見本のような気がする。日頃の訓練と徹底した報告と命令の確実性が組織を支えている。艦長の意志とベクトルを合わせない勝手な行動や指示、報告間違いが3000名の命を危機に晒すのだから、ベクトルを合わせる為の報連相は恐ろしいほど徹底していることだろう。
 我社も大和の作戦指示書に相当する「製作指示書」が一枚発行されたらそこに書かれたQCDを確実に達成する組織の完成を目指したい。
2016年1月25日   

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