社長の部屋CEO's ROOM

　この写真は、我社の社長室に置いている千手観音です。決して仏教に帰依していて宗教的な意味から置いているのでもありません。由緒ある頂き物でも高価な買い物したのでもありません。実を明かせば、十数年前に上海で物産展示会の閉会間際に展示前を通りかかり、片づけていた所を値段交渉して4000円程度で買った物産品です。

それでも千手観音を何故買ったか、何故飾っているのかには意味があります。その体の周りに無数の手があり、手には色々な道具を持っている姿が昔から大好きなのです。考えに詰まった時などにこの像を眺めたりします。

「選択する手は無限にあり、方法も無限にある。少しくらいの知恵や挑戦で旨く行かないでも、それはお前の未だ知恵と選択肢が足らないに過ぎないのだ。まだまだ打つ手は幾らでもある。」と言われて自分を奮い立たせるのが昔から好きなのです。

　私が「これしかない」という言葉を忌み嫌っているのは、私の周辺ではよく知っています。自分の決意と覚悟を示すのにはいい言葉だし否定はしませんが、この言葉を吐いたとき、気持ちは楽になっても新たに知恵を求めて悩むのを否定してしまいそうで好きではあません。逆の言葉でもある「何とかなる、何とかする」という言葉と共に、私は千手観音を眺め悩むののが大好きです。