11月末より一週間かけてベトナム・ハノイとタイ・バンコク周辺の日系企業を数多く訪問し、今後の製造業の世界の方向性を求めて面談ヒアリングを行ってきた。
帰国して未だ印象冷めやらぬうちに一報をする。
今後の日本のモノづくりや世界のモノづくりが昨日までとは違う方向の流れを感じ、早く個人的にも組織としても対応を考えてもらいたい。
変化、進化についていけない者は滅びるのが自然の掟と考えよう。
11月25日夜、ベトナムのハノイへ福岡発バンコク乗り換えで到着、翌日より2日間ベトナムのハノイ周辺日本企業やジェトロなど訪問。27日夜タイのバンコクへ移動しバンコク周辺の主に日系企業を中心に訪問した。
ハノイ周辺はベトナムと比べ圧倒的にインフラ整備が遅れていて道を溢れんばかりのバイクの洪水は道路や駐車場整備の遅れ、すなわち社会資本不足で整備が進んでいないということのようだ。そのことが経済発展の阻害にもなっている。
工場で働く労働者は従順で真面目と言えるが従わざるを得ない悲しさも感じるのは私の思い込みか。日本人に全く従順に従う姿は生産性にとっていいことだろうが何故か寂しい。アメリカの工場も見てきた私にとって違和感もある。工場内を見ればほとんどが組立中心で産業のすそ野の広りが小さいようだ。仮に我社がハノイに工場を得たとしても現状では殆ど現地調達は出来ない。機械加工依頼先さえ探すのに手間取りそうだ。市場も高度な自動化の需要は賃金安もあってまだ少ないと判断した。
それに比べタイのバンコクは自動車産業中心に殆どが国内立地で間に合う位にサポートインダストリーが進出している。鋼材は未だ国内に製鉄の高炉がなく輸入に頼らざるを得ないが、多くの部品産業が日本中心にドイツからアメリカから韓国からと進出し、東洋のデトロイト呼ばれる一大集積地が成立している。百聞は一見に如かず、改めてこの地の産業の発展性を感じた。我社が必要とする機械要素部品や金属加工業もあり、一般調達は問題ないというお話を訪問の先々で聞いた。人手不足と賃金上昇で、今後自動化のニーズは急速に拡大する可能性あり。失業率はほぼ0%という。今後の継続的な情報収集を継続したい。
我社の顧客であるG社殿の現地法人もベトナムに続きタイでも訪問させて戴いた。その規模の大きさと整備された工場。練度の高く誇り持って働く現地幹部と従業員に歴史の重みを感じた。現地に赴任されている元熊本工場の技術担当取締役だった懐かしい現地のM社長から説明と案内を戴いた。
我社が納品したH成形機も活躍している姿をみて、関係した我社の社員諸君に改めて感謝したい思いがした。我々の工場で生まれた生産設備が見知らぬ国の工場で活躍しているのを見ると我社の産業貢献を実感できる。
総論としてこの一週間でベトナム・タイの日系企業十数社を訪問できた。大手メーカーの工場やそのサポート企業まで訪問してみて、ASEAN地区の盟主としてタイがこの地域の急速な成長を引っ張っているのを感じた。特にG社が立地するSiRacha地区はタイのデトロイトと呼ばれる現状からアジアのデトロイト呼ばれる地域への成長しそうに急激に投資が進んでいる。N製作所の紹介で急遽訪問した現地の同業企業からも、仕事は溢れていて外注など調達や連携も十分できているとの話も聞けた。
今後、日本国内の製造業の海外シフト、日中問題からの中国国内生産拠点からのシフトと今から更に加速しそうとの話をいたるところで聞いた。会う人毎に口をそろえる如く「今がチャンス、急速に成長していますよ」という。傾聴に値する意見として拝聴した。
今後、日本企業の生き残りの為、そして産業を追いかける為にはこの地区は重要なカギとなるだろう。
朝から夜までかなりハードなマーケットリサーチだったが、今後の世界の産業ビジネスマップを捉えるに大変学び多い旅であった。
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